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・20才で体重65 kg、その後30年で体重が30kg増量。

 まさにそれは未知なるデブへ道だった! 

・体質的にもしくは遺伝的に太らない人以外は、

 40歳で、みんな太る。間違いない。 

・このデブ道、どう抜け出すか、科学と根性する。

(図1)身体検査〜デブの証明〜

 2000年半ば(35才)から太り始め、2017年(51才)はきっちり中年太りしていた。左写真(写真②)は2014年にイタリアでの写真、中央(写真③)は2017年の卒業研究発表会での写真。右は、2017年2月オープンした大阪府貝塚市にJoyFit(ホットヨガ・フィットネスジム)で、2017年2月4日に行った身体検査の結果。星印が管理人の評価を示す。

イントロダクション

​ 20才くらいの時期、管理人の体重は概ね60-65kgだった(Supplemental Fig1)。しかし、大学院でのストレスから解放され、年間360日青空の広がる常春のアメリカ・カリフォルニアで脂肪が溜まり始めた。4年経ち帰国後、つくば市、宇部市、貝塚市と転々とする中、子ども達と食べる量を競争する中、2016年ついに体重は99kgを計測した(図1)。100 kgに到達して3桁到達記録を残すか、健康のためいち早く減量するか(Supplemental Fig2)、岐路に立つ。

 2017年1月大阪府貝塚市にホットヨガ・フィットネスジムを備えるJoyFitがオープンすることを広告で知る。オープン前のキャンペーン期間中に会員登録を済ませ、2017年2月4日に身体検査を行った(図1右)。体重が気になり軽く運動を始めていたので、体重の実測値は96 kg。知ってはいたが、体脂肪率は30%。きっちり、「肥満」のなかの肥満コーナーに星印がマークされた(グラフ中の横軸から考えると、本当は、枠外の超肥満だったと考えられる)。 減量対策としては、(1)食べない、(2)運動する、(3)その両方、が考えられる。減量が成功しても、長期間リバウンドしないためには、「食べない」は選択できない。そこで、とにかく運動することに決定し、実施した。

(図2)体重の変化曲線

 1日の運動による過剰消費カロリーを500 kcal、月に15,000 kcalの消費を目標とし、概ね達成した。計算上、毎月2 kgの減量が観察され、計算と一致していた。AppleWatchの実測として、毎日10,000歩以上歩くか走ったことになっていた。

方法と結果

​基礎代謝

 過度な食事制限と食べ過ぎを避けるため、基礎代謝を知ることは重要である。しかしその計算方法には複数の式がある。表1にその有名なものを示す(男性用)。「筋肉を付けて基礎代謝を上げることが減量には適切である」とする記載は多い。しかし、1kgの筋肉を付けても一日には50 kcalしか増えない上に、筋肉1 kgつけるのにどのくらいのトレーニング必要なのか誰も計算できない。しかも、50 kcalは100 kgの人が500mジョギングする程度の消費カロリーである。つまり、筋肉を付けるよりも、まず脂肪を直接燃やすこと選択した。とにかく、基礎代謝は1700 kcalと計算された。

活動代謝

 AppleWatch(ジョギングや心拍数の記録のために購入)でモニターしたところ、座ってばかりの仕事では300 kcal程度のエネルギーしか消費しない。それでも、基礎代謝と合わせて、一日に2000 kcalだけを食事から摂取するようにすれば、体重増加はない。さらに、運動によってエネルギーを消費すれば、その分だけ脂肪は燃え、体重は減る。普段の食事のカロリーを計算したところ、概ね2000 kcal程度で、無理に食事量を制限する必要が無いことも分かった。もちろん、こどもとの大食い競争と食べ放題で吐くくらい食べるのは自ら禁止した。

有酸素運動と消費カロリー

 脂肪の燃焼には長時間の有酸素運動が適切である(と、今も思い込んでいる)。(1)マラソン選手など長距離を走る人に太っている人はいないこと、(2)脂肪の燃焼には、ミトコンドリアにおいて脂肪のβ酸化、呼吸によるエネルギー生産、筋肉によるエネルギーの消費が必要であることから容易に想像できる。(実際には学術的文献も多い。)運動による代謝に関しても多くの計算方法があるが、体重xジョギング距離(km) = 消費kcalとするのが最も簡便である。散歩ならそれに0.7をかける。管理人はジムに設置されているトレッドミル(室内ランニング装置)とAppleWatchでモニターした。

 

消費カロリーと脂肪燃焼量

 一般的に脂肪の燃焼エネルギーは9 kcal/gであり、体脂肪の80%が脂肪であると計算されている。つまり、100gの脂肪の燃焼には700 kcalの運動が必要である。また、それは90kgのヒトには、8kmのジョギングを意味する。体重100kgの肥満には、始めから8kmは走れない。最初は時速7kmで15分走り、45分間以上早歩きをして、消費カロリーを500kcal以上にした。 週に5回ジムに通い、毎回500kcal以上消費した。少しずつ走る速さを上げて、時間を長くして、2ヶ月後には時速9kmで30分走れるようになった。半年後には体重が減ったこともあり、時速10kmで60分(800 kcal消費)もしくは、時速8kmで150分1600 kcal)走れるようになった。

​体重減少と副作用

 半年後の身体検査と全身像を図3に示す。体重は20 kg減少し、「超肥満」状態から「ぽっちゃり」を回避して、「適正」領域に入った(星印)。週に5回ジムに通い毎回500kcal以上消費し、週に最低2500kcalは食事から摂取する以上にカロリーを消費した。つまり、週に脂肪0.7kgの削減し、6ヶ月x4週x0.7kg=20kgの減量となった。これはまさに計算通りの結果であり、科学と根性の勝利と言える。体重の減少に伴い、以前は3 kmくらしか走れなかったが、現在では同じ速さ以上で20 kmも走れるようになった。走力と心肺機能の回復も著しい。

 しかし、20 kgのうち、2.5 kgは筋肉の減少だと診断された(図3)。有酸素運動では当然起こるべき筋肉量の減少であり、日々覚悟をしていたが、かなりショックである。体重が100 kgの2016年夏に、10 kgの荷物を担いで四国一周のスタンプラリーに出かけていた。いま、荷物と体重を合わせて110 kgになるように荷物の重さを調節すると、30分も歩けない。また、半年前は25 kgのダンベルを持ち上げられていたが、いまでは20 kgが限界である。減量中に起きたぎっくり腰や肉離れも、筋力の低下が原因かも知れない。

(図3)2回目の身体検査

 2017年2月には体重は96 kgだったが、7ヶ月後には76 kgキロをとなっていた。途中、ぎっくり腰で1週間全く運動が出来ず、2週間の海外出張などもあったが、概ね計算通りの減量に成功している。左グラフは2回目の身体検査の結果。右は2017年11月の大学間交流会での写真。海外出張のスペインでもシンガポールでもジムでの運動やプルでのがち泳ぎで、過剰な食物摂取分のエネルギー消費には務めた。

(表1)基礎代謝計算方法

厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2005年版)

基礎代謝量=基礎代謝基準値×体重(kg)

Harris-Benedictの計算式(日本人版)

66+13.7×体重kg+5.0×身長cm-6.8×年齢

③国立健康・栄養研究所(Ganpule et al., 2007)

基礎代謝量=((0.1238+(0.0481×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-0.5473))×1000/4.186

国立スポーツ科学センター(JISS)

基礎代謝量=28.5×(体重-体重×体脂肪率)

考察

​ 20才から30年かけて増やした30 kgの体重増加分のうち、16 kgの脂肪は計算通りに減量することが出来た。要点は2点で、(1)昼ご飯を12時過ぎに食べ空腹を感じる夜9時か10時くらいから1時間のランニングと1時間のウエイトトレーニングを行い、毎日平均500 kcal以上を消費することと、(2)基礎代謝と仕事に必要なエネルギー(管理人の場合、計2,000 kcal)を勘案して適切な食事を行うことである。一方、有酸素運動(主にランニング)に重点を置いて減量を行ったことにより、全減量分の12%くらいの筋肉を失った。有酸素運動と筋肉トレーニングのバランスを調整することにより、その筋肉の減少は避けられるかも知れない。しかし、ランニング主体の減量によりその効果が現れやすくなり、日々のモチベーションを維持できたと考えられる。つまり、脂肪削減と筋肉量の維持を期待する減量の場合、筋肉消失を覚悟の上で有酸素運動主体により一定の減量を行い、その後に筋肉の増強を目指すこと計画される。ボクシングなどのウエイト制限のあるアスリートは、体重増加を覚悟で筋肉増強を行い、必要に応じて減量する計画を立てるようだが、デブの減量では逆のプロセスとなる。筋肉の消失を避けて減量する場合は、有酸素運動と筋肉トレーニングのバランスを調整すると共に、プロテインなどの補給も有効だと、多くの人が説明している。ただし、計算上では、マメや卵、魚などの蛋白質豊富な料理とお米、野菜を中心とする食を取れる場合、プロテインなどの補給は不要であると考えられる。また直近7ヶ月のAppleWatchとiPhoneによる集計では、合計250万歩くらい歩くか走っており、毎日1万歩となる。減量を開始する以前はなんと1日に1,500歩だった。毎日1万歩は厚生労働省など多くの健康更新プログラムで推薦される程度であり、極めて多いわけではないが、意識して強制しないと達成できない値であることも確かである。

 ジムに通い始めてから9ヶ月目の現在でも、週に4回程度、1時間のランと1時間のウエイトトレーニングを続けている。そのおかげで、今のところ大きなリバウンドはみられない。実際には食事量を意識的に少し増やし、体重を80 kgに安定させ筋肉を増加させようとしている。そして、来年2018年3月頃には、4 kgの脂肪燃焼と4kgの筋肉増強、つまり体重76 kgと体脂肪率12%を目指す。ただし、この数字に全く意味は無い。結果として健康診断のデータ(長年にわたり要再検査、要受診などが豊富なデータ)が改善されることを密かに期待している。ところで、数ヶ月に一度帰ってくる子どもの私の体型などに関する評価は、「小さくなった」、「薄っぺらくなった」、「年取った」である。喧嘩うってんのか!って感じの言葉が並ぶ。

(Supplemental Fig 1)

管理者20才の写真との比較。

(図3)2回目の身体検査

 2017年2月には体重は96 kgだったが、7ヶ月後には76 kgキロをとなっていた。途中、ぎっくり腰で1週間全く運動が出来ず、2週間の海外出張などもあったが、概ね計算通りの減量に成功している。左グラフは2回目の身体検査の結果。右は2017年11月の大学間交流会での写真。海外出張のスペインでもシンガポールでもジムでの運動やプルでのがち泳ぎで、過剰な食物摂取分のエネルギー消費には務めた。

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